40代リーマン 時事ネタ・ニュース解説など

40代、普通のサラリーマンがブログをはじめました。ニュースまとめや海外ネタをお送りします。

書籍レビュー 無敗営業①

無敗営業 高橋浩一

所要時間 約10分

 

著者は幼い頃は人見知りで、クラスメイトに「消しゴム貸して」と言う一言も言えない少年だったそうです。

その著者が飛び込み営業を通して人見知りを克服していき、テレアポ営業を通じてお客様とのズレを解消する方法を見つけ、現在は8年間他社とのコンペに負けない営業をされているやり方について書かれたものです。

全8章 300ページにわたる本の内容を分かりやすく解説したいと思います。

では行きましょう!!

お客様はどうやって購買決定をするのか??

よく聞く話で、営業マンが他社との競争に負けた場合「価格が合わなくて・・・」と言う言い訳を聞きます。
果たして本当にそうなのでしょうか??

その言葉は体のいい断り文句なのではないのか?

こんなデータがあります。

Q.発注先の会社を選定するにあたり、普段重視している項目は何ですか??

A.1位 費用対効果に納得感がある
  2位 サービス・商材が要件に合っている
  3位 営業担当の理解度の高さ
  ・
  ・
  ・
  7位 とにかく他社よりも価格が安い。

となっており、価格面の話は下位に位置しています。


お客様が望んでいるのは、その商品を買った事による自社への貢献であり、この商品を買うことが現在の会社に必要なことか??

 

と言う部分であり、価格への要望はその後なのである。
※もちろん同じ商品なら価格が安いほうが有利なことは間違いない。

 

このように、お客様の要望と、営業マンがしている提案にズレがあった場合は成約に至らない場合が多いのである。

本書の主内容としては、このズレをいかになくしていくか?が重要なのである。

 

ズレを無くす方法

 お客様と営業マンの間で生まれるズレの多くは、情報不足・コミュニケーション不足にあると著者は語ります。


 お客様はとりあえず答える「建前」の部分と、実は・・・で語る「本音」の部分があり、営業マンが建前しか理解していなかったら、お客様との間にズレが生じるのです。(情報ギャップ)

 

この情報ギャップを無くす為にはお客様に本音を語ってもらわなければいけません。

ここで一つ面白いエピソードを。

 

ある営業の強い会社がやっているトレーニングで、お客様との商談に行く前に先輩から「今日はお客さんが怒るまで聞いてこい」と言われるそうです。


 後輩はオドオドしながらいつもより多くの質問をお客様に投げかけます。
いつ「もうしつこいよ!!」と怒られるか・・・おっかなびっくりです。

 そして会社に帰った時に先輩に聞かれます「どうだった?」
後輩はこう答えました。


「そうですね・・・どんなに聞いても、お客様って意外に怒らないんですね・・・」

そうなのです。

 

普通の営業マンはお客様が怒るポイントをかなり手前に設定しているのです。
このラインの先まで深く掘り下げて相手の悩みを聞くことで「本音」の部分が見えてきて、その後、ズレない提案をしていく事が出来るのです。

3つの質問

提案には「楽勝」「接戦」「惨敗」の3パターンがあると言います。
そのほとんどが「接戦」であり、この接戦の勝敗で営業の成績が変わります。
その接戦に勝つための情報ギャップを埋める質問の仕方を簡単に解説します。

① 接戦状況を問う質問
接戦は3パターンに分かれる。

・他社とどちらが良いか?
・今必要か?
・内製出来ないか?

上記の項目を解消するためにBANTCHをヒアリングと書かれています。
とある英語の頭文字ですが、それを覚える必要はないと思いますので、日本語で。
B・・・予算
A・・・決裁者
N・・・ニーズの抜け落ちや優先順位
T・・・検討や導入スケジュール
C・・・競合
H・・・お客様側の人員体制

こう言った項目をつぶしていけば接戦に強い営業が出来る。

② 決定の場面を問う質問

お客様が受注を決定する場合にはどの場面で決まったかを知っておくことは重要です。
それによる今後の対策もできるからです。

・自社のプレゼン後→プレゼン内容が良かった
・他社のプレゼン後→他社が失敗した。
・上司の一言で→上司の評価ポイントを聞いておく。
・会議で議論して→関係者の意見
・資料をじっくり見て→資料の記載内容

③ 裏にある背景を問う質問

お客様との情報ギャップを解消するために、こちらが知らない情報を聞いていきたい。
それを引き出す為に以下の言葉を使うと聞きやすい。
〇枕詞
「仮に○○と言う点がクリアされたら・・・」
「あくまでも個人的なご意見で構いませんので・・・」
〇深堀り
「と、おっしゃいますと?」
「具体的には?」
「なぜでしょうか?」
〇特定
「御社の課題について、ここ1か月議論されているものとしては、どのような課題があるのでしょうか?」
「御社の課題として重要度が高いのは、AとBとではどちらでしょうか?」
などの言葉です。

これを一つ一つ解説すると長くなるので、割愛します・・・・

お客様とのズレを解消する4つの力

お客様の要望を的確に理解するために必要な力が4つあります。

① 質問力
上記の聞く力がこの一部ですが、その中でお客さんが思っている事の一つに「質問してくれない」と言う不満があります。お客様は話を聞いてくれる営業を欲しています。
恐れずに質問していきましょう。

 

② 価値訴求力
お客様から情報を引き出す時になかなかうまく話しをしてもらえない時もあります。
そんな時に必要な感情が「価値訴求力」なのです。
お客様が「情報を出す価値がある」と感じてもらうための力です。
価値は大きく分けて4分類されるという事。

労務提供・適量コミュニケーション
→作業が楽になった。ちょうど良い時に連絡をくれる。と言う感情。

・好感・共感
 →この人といると気持ちいい。この人は自分(自社)の事を分かってくれる。と言う感情。

・情報提供・人の紹介
 →それは確かに知っておいたほうが良い。紹介してくれてありがとう。と言う感情。

・プラス@・提言
 →それは思いつかなかった!!あえて言ってもらえるのはありがたい。と言う感情

上記のような価値を与える営業をしていると、相手からも欲しい情報が引き出せる。

③ 提案ロジック構築力
提案を成就させるための思考力が「提案ロジック構築力」
提案書を書く際に気を付ける事は「要件への合致度」「懸念や不安への対応」であり、提案がズレる原因は「営業マンとお客様の思惑がかみ合わない」「お客様の考えがまとまってない事が多い。

④ 提案行動力
上記、3つの力を使えるようになると、商談へのもって行き方、提案書の作り方が変わってきます。

そのスキルを発揮するためにも最後の「提案行動力」が必要になります。

ただ動けば良いというわけではありません。

お客様が感じる「営業の動きが悪い」の内容としては
・レスポンスが遅い
・レスポンスが的外れである
などが挙げられ、やはりズレを感じると不満になるのです。
それを解消する手段として、お客様との情報共有が効果的です。

商談の前に電話やメールで情報のやり取りをしておく事や、商談後に同様のコミュニケーションがあるということ。

それにより信頼度が増し、次の商談もスムーズになる事請け合いです。

お客様が必要としている提案は「費用対効果」「要件への合致度」が高く、基本的にはそれに合わせた提案書を作成することが必要。

終わりに

以上、ざっくりと解説しましたが、かなりの量になってしまいました・・・
必要な事が多く、うまくまとめる事が出来たか疑問です・・・

この本は主に「法人向け営業」「営業マネージャー」に向けて発信している内容だと著者も書いています。(もちろん他の営業にも当てはまる項目は多いです。)

今回初めて書籍のレビューをしました。
今後も続けていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。